桜の季節が終わると、南信州に「桜守の旅」に出掛けた事を想い出す。
梅雨も終わり、青空が広がり信州の高原から吹き降ろす風が木陰では心地いい午後のひと時である。
桜の花も無いこの時期に、どうして桜の木を見学する人がいるのだろうかと、素朴な疑問からこの旅を選んだ。
観光バスは飯田市役所前駐車場で桜守と称する案内人を待っていたら、市役所を退職して10年にもなる70代の桜
守りが挨拶に来た。
料金は一人千円コースから昼食付の六千円コースまであり、ガイド料は別途ガイド一人に付き1時間千円である。
樹齢300年以上の一本桜を、その桜にまつわる歴史や生活との結びつき、未来に残すための取り組み、桜のDNA
分析までいろんな視点で解説してくれます。
地域の誇りである一本桜ばかり、計5本見学しました。
花が咲いていないだけに、咲いている光景が想像の中でどんどん膨らみます・・・
花見は群桜ばかりか、花でもなく「こんな花見の仕方もあるんだな~」と見学者一同、関心してました。
印象的なのが飯田城の樹齢約400年の桜(城正面に通じる家臣の屋敷跡に植えた桜)が、幕府の命令で提出した城
の見取り図に記載されておらず、偽りの図面であった事が後に判明して、いろんな憶測を呼んだ事や、赤門にあるエ
ドヒガン桜とシダレ桜が根元で合体した珍しい夫婦桜とその言い伝え等でした。
一本の桜を精魂込めて数百年育てるのも、大切な事に思える旅でした。
桜の開花時期(1日バス17台程)にまた来る事を決め桜守りの旅は終わりました。
ー咲花温泉 きなせ堤河床の桜ー